海外登山・高所旅行専門の低酸素トレーニング

「夢」を叶えるためには準備が必要


低酸素室所長 三浦豪太
 私の父、三浦雄一郎が不整脈を乗り越えて「エベレストにもう一度登りたい」という夢を叶えたように、「一度でいいからエベレストが見たい」「キリマンジャロの山頂に立ちたい」など、夢を持って旅行へ行かれると思います。しかし、夢を叶える準備が不足していると、夢を叶えられないどころか、生命の危険に曝される可能性があるのが、高所です。
 恥ずかしい話ではありますが、私も08年のエベレスト登山の際に、8000m地点で肺水腫になり、九死に一生を得て下山してきました。実際に、重篤な状態を経験してさらに高山病に対する危険性も認識することが出来ました。高山病は、気合いや根性ではどうにもなりません。高所初心者でも経験者でも高山病になりますが、私たちの経験から高山病のリスクを減らすことは可能だと考えています。
 三浦雄一郎も手術と心臓のチェックを再三繰り返し、しっかりとした準備があったからこそ不整脈を乗り越えてエベレストに立つことが出来ました。準備をしないで大変な思いをするのはあなた自身です。高所での危険性をよく理解したうえで、安全性を確認しながら、しっかりと準備をして「夢」を叶えてください。

高所の危険性・高山病の恐ろしさ



チベット:ラサ 3500〜5300m四姑娘山・九塞溝 2500〜4500mマチュピチュ 2500〜4000mキリマンジャロ 2000〜5895mエベレスト街道 2700〜5500m



 世界遺産や海外トレッキングで訪れる場所の多くは、富士山(3776m)より高い標高の高所です。空気に含まれる酸素の量は減り、身体には大きな負担がかかってきます。そして、「頭痛」「めまい」「食欲不振」「睡眠不足」などの症状がでてきます。それが「急性高山病」です。海外高所ツアー参加者の中で、5人に1人以上がこのような症状を訴えると言われています。症状が悪化した場合には、「肺水腫」「脳浮腫」といった生命の危険もあります。また近年、高血圧や糖尿病など既往歴のある中高年者がこのような高所に行くことが増えるにつれ、高所での血管系疾患(心筋梗塞、脳梗塞)のトラブルも増えています。実際、2007年の夏の半年間で、チベットエリアを訪れた日本人観光客のうち8名がなくなっているというLinkIcon報道もあります。

高山病(高度障害)を引き起こすリスク


担架で降ろされる急性高山病患者(キリマンジャロ)
 高所に行った全員が高山病を発症するかというと、そうとも限りません。いくつかの高山病を引き起こすリスクがありますが,次のような事例で考えてみましょう。

①過去に同じような高所に行ったときは平気だったのに、今回はひどい頭痛と下痢になった
②グループで旅行をしていて、1人だけ高山病症状が出た

このような話はよくあることですが、この二つの例は、別々のリスクが原因で高山病になったと考えられます。
 まず①の場合、旅行行程による高山病リスクが考えられます。例えば,同じ4000mの高所に行く場合でも、標高の低いところから数日かけて移動するより、飛行機などで一気に移動する方が高山病のリスクは高くなります。過去の行程より急に高度を上げていれば、その変化に順応が追いつかなかったと考えられます。
 ②の場合、グループの大半が高山病にならなかったということは、急激な高度変化によるものではないと考えられるので、個人の持つ高山病リスクと考えられます。
 高山病リスクはこれだけではありませんが、ミウラドルフィンズではこの二つのリスクに注目し、高山病予防のためのテストとプログラムを開発しました。

何十万円もする海外旅行を命をかけたギャンブルにしますか?



 今までは、高山病になるか、ならないかは行ってみないと解らないというのが現状でした。しかし、せっかく楽しみにしている海外旅行をギャンプルのようにするのはもったいないと思いませんか?
そこで、個人の持つ高山病のリスクを先に調べるのが高所テストです。高所テストの結果と旅行行程からそれぞれに最適なトレーニングプログラムをご提案いたします。