MIURA隊 帰国報告
みなさまへ
三浦雄一郎、豪太に引き続き昨日(27日)、残りの3名、倉岡裕之、平出和也、中島健郎が無事日本に帰国いたしました。これで帯同していただきました朝日新聞の金子記者を含めて、MIURA隊全員、怪我もなく元気に日本のそれぞれの家族の元に戻りました。
The remaining members of team MIURA (Kuraoka, Hiraide, Nakajima) has safely returned to Japan yesterday and this ends MIURA Aconcagua 2019 Expedition.
今回の遠征が無事に終了しましたこと、ここにご報告させていただきますとともに、挑戦をご支援、応援してくださった多くの皆さま方に心より御礼申し上げます。
三浦雄一郎の挑戦を支えてくださいました素晴らしいチーム・メンバーの皆さまへ - 三浦の命を救うため医師として辛い決断をせざるを得なかった大城先生、三浦を登らせる為にあらゆる難題に立ち向かってくださった倉岡さん、厳しい状況のなか最高の映像記録を撮り続けてくれた平出さんと中島さん、Mission impossible を可能にしてくれた貫田さん。屈強で心優しい現地ガイドとオペレーターのみなさま、そして意志を引き継ぎ苦しいなか山頂を目指した豪太、お疲れ様でした、ありがとうございました!
慈愛に満ち尊厳なるアコンカグアの大自然に心からの感謝と敬意を表します。 三浦雄一郎
With sincere appreciation and respect to great motherly Aconcagua, Yuichiro Miura
※遠征中、スケジュールとルートが変更になりましたが、ここに最終のものを添付いたします。
The final schedule and route
MIURAアコンカグア2019 スケジュール
1/2 日本発
1/4 アルゼンチン・メンドサ 着 (登山申請)
1/5 – 1/9 高度順応 (1890m ~ 3800m)
1/10 ヘリコプターでベースキャンプ入り (プラサ・アルヘンティーナ) 4200m
1/11 雄一郎 BC 高度順応トレーンング 4200m / 偵察隊(倉岡・他 C1へ 4900m)
1/12 雄一郎 BC 高度順応トレーンング 4200m / 豪太&大城 C1 偵察隊ポーランド氷河
1/13 雄一郎 BC 高度順応トレーニング 4200m / 豪太&大城C1→偵察隊合流 → BC
1/14 雄一郎 BC 高度順応トレーニング 4200m / 他メンバーBC
1/15 雄一郎 BC 高度順応トレーニング 4200m / 他メンバーBC
1/16 雄一郎 BC 高度順応トレーニング 4200m / 他メンバーBC
1/17 雄一郎 BC 高度順応トレーニング 4200m / 他メンバーBC → アメギノ峠 5360m
1/18 雄一郎 ヘリにて BC → 5580mポイント 他メンバー合流
→ 登攀 プラサ・コレラ 6000m
1/19 雄一郎 & 全メンバー プラサ・コレラ 6000m 天候待機
1/20 雄一郎 <ドクター・ストップ> → ニド・デ・コンドレス → オルコネス →
メンドサ 豪太(倉岡・平出・中島) → ニド・デ・コンドレス 5500m
1/21 豪太(倉岡・平出・中島)ニド・デ・コンドレス → 山頂(6961m)→
ニド・デ・コンドレス ※ 5500m ⇔ 山頂アタック
1/22 豪太 5500m~5000mスキー滑降 他メンバー下山 → BC → オルコネス→メンドサ
1/23 メンドサ滞在 1/24 アルゼンチン出発 → 1/26 日本帰国
ルート概念図(イメージ)
メンバー (年齢・2019年1月現在)
三浦雄一郎(86)遠征隊・隊長
三浦豪太 (49)遠征隊・副隊長
倉岡裕之 (57)登攀リーダー
平出和也 (39)カメラマン
大城和恵 (51)チームドクター
中島健郎 (34)登攀サポート&カメラマン
貫田宗男 (67)遠征ロジスティックス担当
現地ガイド:
Gianni Capano (41)
Martin Campos (29)
Javier Vega (33)
Emiliano Salomon (35)
1月24日
本日まもなく(日本時間19:00)メンドーサ発の便にて帰国致します。
日本には26日到着となります。
1月21日 現地情報 *日本時間 22日8:00am
現地、21日11:12登頂しました豪太、他メンバーは14:38に標高5500㍍のニド・デ・コンドレス・キャンプまで到着しました。
今朝日本時間6時(現地18:00)にキャンプにいる豪太から無事到着して休息をとっている旨が報告が衛星電話であったとき、最初に豪太が私に聞いたのは、自身の登頂への思いより前に
豪太
「お父さん怒ってないかな…降ろされたこと」
というものでした。三浦雄一郎の山頂への強い想いをとても気にしていました。 一方、メンドーサに到着している、三浦雄一郎は豪太の登頂を受けて
三浦雄一郎
「すごく嬉しい。自分を下のキャンプまで送ってくれて、あんな厳しい条件からよくがんばって登頂してくれた。おめでとう」
とコメントしております。
ここに大城先生から私宛にいただいたコメントをご紹介いたします;
大城和恵(チームドクター)
「この度は、お父様と生還できて本当に安堵しております。お父様、もっと上を目指されたい意志の強さを本当に感じました。その中で、ご決断を頂きましたことは、本当に感謝しております。近年、60、70代がヒマラヤで亡くなっています。多くは突然死で、アコンカグアの死因の最多も突然死です。限界と可能性を見極める登山を発信できるのは、今、世界でお父様しかいらっしゃらないと思っております。また、今回はテント生活をご一緒させて頂きました。おかげで、お父様のご様子を真近で拝見させて頂けたことが非常に助かりました。遠征は、登山より生活が長いですので、酸素の少ない環境でのテント生活は、心臓への御負担が多く大変な中、本当に頑張ってくださいました。感謝しております。」
生きて戻る、だからこそ次へのチャレンジへ向かうことができ、希望が繋がる。今回、三浦雄一郎の登頂断念、豪太の登頂についてのそれぞれの気持ちをお伝えいたしました。 豪太たちは明日、ベースキャンプまで下り、その後ヘリコプターでオルコネス、可能であればその日のうちにメンドーサへ戻る予定です。
また今後の詳しいスケジュールが決まりましたらご連絡申し上げます。
1月21日 現地午前11:12情報
豪太をはじめ、倉岡、平出、中島の4名、南米最高峰アコンカグア(6961m)を登頂いたしました。
メンバーは前日(20日)、三浦雄一郎とともに、一旦、5550㍍のニド・デ・コンドレスまで下山、仮眠をとった後、21日午前1時半に出発、一気に標高差1400㍍以上の山頂を目指しました。途中、インディペンデンシア(6380㍍)まではかなりの強風のなかの登山となりましたが、風は徐々に収まり、出発からおよそ10時間後、全員、無風/快晴の山頂に立つことが出来ました。
長時間にわたる行動で、山頂直下100㍍の地点で、豪太は極度の疲労に陥り、山頂までの最後100㍍のアプローチは補助酸素を使用しての登頂となりました。登山を断念した父、三浦雄一郎のザックを背負い、帽子とサングラスをつけて、父の酸素マスクを使っての登頂です。
以下、山頂からの豪太のコメントです。
豪太
「本来ならお父さんと一緒に登りたかった。でも背中を押してくれた」
山頂からメンドーサで待つ父親に伝えたとのことです。これから下山いたします。体力的にかなり消耗しているので、スキー滑走を行うかどうかは様子をみて、安全第一にまいります。
1月21日 現地午前7:30情報
先ほど、メンドーサにおります三浦雄一郎と電話で話しをいたしました。
とても元気で、またすぐに山に登りに行きたいような話しぶりです。
本人は豪太と大城先生の指示に従い下山したのですが、どうも納得せず本当にそのまま登っていきたかったようです。6000㍍まで行けたこと、そこで動けたことに自信がつき、また次のチャレンジの話しをすでにしておりました。
現在、山頂へ向けて登っている豪太たちからは8:30時点でラ・クエバ到着、あと1時間~1時間半で山頂です。風切りおとが凄く、強風と思われます。
1月21日 現地午前1:30情報
三浦雄一郎と大城先生は標高5500㍍のニド・デ・コンドレスよりヘリコプターでオルコネス、その後車で昨日中にメンドーサ(746m)へ入りました。直接は話せておりませんが、元気の様子です。ベースキャンプにおりました貫田、金子記者も後をおってヘリでオルコネス、そして車でメンドーサへ入り、合流しております。
JST13:30 豪太、倉岡、平出、中島の4名はニド・デ・コンドレス(5500㍍)を出発するとの連絡が入りました。風は少し強いようです。
直接、山頂を目指し、順調にいけば日本時間今夜 23:00〜25:00 豪太は父親の帽子、サングラス、ザックを着けて、そしてスキーを持っていきます。また状況が入り次第、ご報告いたします。
三浦雄一郎アコンカグア登山中止のお知らせ
本日、日本時間(21日未明/現地20日昼)、アコンカグア山頂へ向けて登山中の三浦隊から連絡がはいり、チーム・ドクターであります大城和恵先生の判断で三浦雄一郎の登山活動が中止となりました。
1月18日にアコンカグア・ポーランド氷河側のベースキャンプを出発し、ヘリコプターで5580㍍地点にはいり、その日のうちにノーマル・ルート側のプラサ・コレラ(6000㍍)のキャンプまで登攀いたしました。その後、山頂アタックへ向けて天候待ちの為、2日間、プラサ・コレラにて停滞をしていたのですが、この高度(6000㍍)での長時間にわたる生活が86歳にとって肉体的、生理的に負担がかかってきているとの判断で、これ以上、高い標高での登山活動は心不全をおこす危険があると判断され、ドクターストップとなりました。三浦雄一郎本人はとても前向きで自覚として大丈夫、登れると感じていましたが、大城先生は前回(2013年)のエベレスト登山以降、主治医として三浦の心臓の状態をよく把握されており、三浦も納得してその指示に従うことといたしました。
以下、電話でのコメントです;
豪太
「19日から20日、2日間このコレラキャンプにいます。この間、三浦雄一郎の状態を二晩みてきたのですが、この標高での生活がかなり肉体的そして生理的に厳しいとみました。で、先ほど、大城和恵先生からドクターストップという見解がでました」
三浦雄一郎
「自分ではまだまだ行けるつもりでいたが、大城和恵先生の判断にしたがい、今回の遠征は自分としてはここで終わる。出来れば豪太たちに山頂へ向かってもらいたい。」
「僕自身、大丈夫だと、頂上まで行けるという自信はありましたけど、やはり周りでみての状況、特に大城和恵先生の判断ということで、それに従うということにいたしました。」
大城和恵(チームドクター)
「よくここまでこの肉体と年齢でがんばったと思います。ただこの標高はもう生物学的に86歳の限界です。生きて還る為に今日降りる、この判断をいたしました。ここまでよく本当にがんばられたと思います。それだけでも素晴らしい記録だと思います」
このような形で今回の遠征を終えることは残念ではありますが、また次の挑戦に向けて<生きて還るために下山いたします>。本日中にプラサ・コレラからニド・デ・コンドレス(5500㍍)へおり、まで下りる予定です。詳しい内容と三浦自身の思いにつきましては、落ち着いて連絡が取れ次第、改めてご報告申し上げます。
キャンプから事務所へかかってきた衛星電話の三浦雄一郎の声は極めて明るく元気な様子ですので、どうかご心配なさいませんようにお願い申し上げます。そして三浦の挑戦を応援してくださった皆さまへ心からの感謝を申し上げます。ありがとうございます。
ミウラ・ドルフィンズ
三浦恵美里
1月20日 現地午前8:10情報
現地20日、7:50~8:00am 測った風速ですが、風向はけっこう回っており、おおよそ 西、10~15㍍の間だそうです。感覚的には昨夜(20日)より前日の晩(19日)の方が風が強く感じたそうです。 ウェザーニューズ様の予報伝えました。予定通り、本日これより(現地20日)はプラザ・コレラ待機、明日21日インディペンデシアへ向かいます。 父の体調を含め、メンバーみな元気にしております。
1月19日(現地)情報&新スケジュール
現地18日に最初のキャンプとなるプラサ・コレラ(6000㍍)に到着した三浦雄一郎ですが、気象予報に基づき、登頂プランを変更いたしました。現在20日~22日の3日間にかけて高所(7300㍍地点)で20~25メートルの強風が予測(気象サポート・ウエザーニューズ提供)されている為、登頂日を、予定していた21日から23日へ先送りいたしました。2日間プラサ・コレラに滞在し、21日から登攀活動を再開いたします。
下記が新しい今後の予定です;
1/19 プラサ・コレラ (滞在) 6000m
1/20 プラサ・コレラ (滞在) 6000m
1/21 プラサ・コレラ → インデペンデンシア 6380m
1/22 インデペンデンシア → ラ・クエバ 6660m
1/23 ラ・クエバ → 山頂(6961m) → ラ・クエバ 6660m
1/24 ラ・クエバ → プラサ・コレラ 6000m(下山中 スキー滑走予定)
1/25 プラサ・コレラ → ニド・デ・コンドレス 5500m
ヘリ → プラサ・デ・ムーラ
ヘリ → オルコネス
今日現地19日、日中は穏やかな天候でのんびりと過ごしていたそうです。三浦雄一郎の体調は良く、昨日一気に2000㍍近く高度を上げたのにも関わらず、補助酸素なしでも行動できるとのことです。今朝(日本時間6:10am/ 現地18日)プラサ・コレラからの衛星電話交信の音声をご参考までに添付いたします。MIURA隊のメンバー全員元気にしております。
1月18日現地18:35情報
先ほど豪太から連絡がありました。本日15:20に無事全員にブラザ・コレラ(6000m)に到着。三浦雄一郎の調子はとても良くて補助酸素を使用しながらしっかりと登ってこれました。プラザ・コレラはノーマル・ルート側になり、アタックへ向けての大きなキャンプ地でそこにはテントおよそ60張り、100名近いクライマーが入ってとても賑やかだそうです。天候も良く、現在、風はほとんど吹いていないとのこと。夕食は「手巻き寿司」パーティーで、日本から持参した海苔、缶詰、地元の鮭などをいただき、大盛り上がりの状態だそうです。後ほど、FBの方に三浦雄一郎のコメント(音声)をアップいたします。明日(19日)は インディペンデンシア(6380m)を目指し、現時点の予定で21日山頂アタックです。以上、定時報告の内容です。
1月18日現地情報
18日、日本時間(20:58) 三浦雄一郎は無事にヘリコプターで予定しておりました 5580㍍地点に着陸。アコンカグア山頂へ向けての登山活動を開始いたしました。昨日、徒歩にて登山を開始していたサポートメンバー(豪太、貫田、大城、平出、中島、現地ガイド)と合流し、当初予定していた 5750㍍キャンプよりも上のプラサ・コレラ(6000㍍)へ向かいます。気象予報をサポートしていただいていますウエザーニューズからの情報によると20日頃から強風(27㍍前後)の予報となっており、引き続き天候をみながら登山を続けてまいります。天候次第では登頂日を21,22,23のいずれかにするか今後検討していきたく思います。明日以降、キャンプ地、登頂日のスケジュールが変更していく可能性がありますこと、ご留意ください。豪太情報ですが、メンバー全員元気です!
1月15日現地情報/ 計画変更 最新 ルート&スケジュール
本日(現地15日)、MIURAアコンカグア2019の最新情報をお伝えいたします。
本日、ベースキャンプにて現地ガイド、ヘリコプターパイロット、州立公園レンジャー、医師、整備士と今回のオペレーションに携わるスタッフたち総動員で段取りを再確認して、ヘリのテストフライトも行われました。ヘリにはガイドが同乗し各着陸候補地点を試した結果、アメギーノ峠から少し上の5580㍍地点に決定いたしました。これにともない山頂へ向けて現時点でのロジスティックス(ルートとキャンプ地)が決まりました。大きな変更としては下山ルートがスタート地点のポーランド氷河側ではなく、ノーマル・ルート側のベースキャンプ(プラザ・デ・ミューラス)へ下るということです。ノーマル・ルート側へ下山をする理由は今後予測される気象条件で、ピックアップを予定しているアメギーノ峠よりもノーマル・ルート側の方がヘリ稼働率の可能性が高く、許された登山活動期間内(20日間)で三浦雄一郎が登頂できる可能性を少しでも上げる為です。但し、ノーマル・ルート側はスキー滑走可能な斜面が少なく、ヘリ・ピックアップ予定地点であるニド・デ・コンドレス(5500m)の上部で条件が良ければスキー滑走を試みます。このことについて三浦雄一郎にとって厳しい選択となりましたが、本人は「サミット」か「スキー滑降」かを考慮した末、まず優先するのは「山頂を目指すこと」として、この最新案と決定いたしました。5580㍍地点までヘリコプターを使用するのは三浦雄一郎だけで、他のサポートメンバー(豪太、倉岡、大城、平出、中島)は徒歩でまいります。 86歳の肉体が標高5千㍍以上で標高差およそ1500㍍の7千㍍級登山を行うという大きなチャレンジです。出発は現地18日(JST 18日午後)、予定では22日(JST 23日未明)の登頂を目指します。
1月15日ルート図
2019年1月、三浦雄一郎と豪太はアコンカグア登頂とスキー滑降を目指します(English version on bottom)
6年前、当時80歳であった三浦雄一郎(プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長)は加齢、骨盤・大腿骨頸部骨折、遠征出発直前の心臓不整脈手術という様々な肉体的ハードルを越えて世界最高峰のエベレスト(標高8848㍍)に登頂いたしました。これは地球上で最も高い頂きの最高齢登頂という記録のみならず、70歳を越えてから3度の挑戦と登頂は誰もが成しえなかった、まさに人類の可能性を押し広げた快挙として世界の人々に勇気と希望をあたえました。
そして86歳になった今、地球にある山々のなかで三浦の心を最も動かすのは南米大陸最高峰のアコンカグア(標高6962㍍)です。この高峰へは世界7大陸最高峰スキー滑降挑戦の最後の山として、33年前(1985)53歳のときに登頂、スキー滑降を行っています。
「空を飛ぶ鳥のように、海を泳ぐイルカのように自由に雪山をスキーで滑る」これが三浦雄一郎と豪太の挑戦の原点です。
“86歳の超高所でのスキー滑走は若き日のようにいかなくとも、年齢を言い訳にせず、出来ない理由より出来る理由を考えた方が人は元気に輝く”(三浦雄一郎)
超高齢化社会、人生100年時代と言われる今、人はどのように老いと向き合い、そして心に力を持って生き抜いていくのか? 生きる目標を持ち続け、自分の夢となる 山へ向かって一歩踏み出す勇気。三浦のアコンカグア挑戦は年齢、体力そして心の可能性と「生きる力」を体現していくものです。
English version
Yuichiro Miura (86), whom worldly known as “The man who skied down Everest” (1970, which the documentary film has won the Academy awards in 1975) and has set the world’s record of oldest man to climb Mt. Everest at age 80 in 2013. Miura now set forth his next challenge to climb South America’s highest peak Mt. Aconcagua with his son Gota, in January 2019.
Miura has climbed and skied down Aconcagua thirty-four years ago back in 1985, which was the last mountain of his Seven Summits Ski endeavor. This mountain has the special meaning as it reflects his early day’s adventures dream. Now at age of 86, Miura wishes to open a new chapter in his life to try once again to challenge the mountain which has given him such a courage and enlightment.
The team that Miura has gathered for this expedition includes the world’s best mountaineering specialist - All are Everest summiter. As a guide, the most experienced in seven summits climb in the world, Hiroyuki Kuraoka (57) will be in charge for the guiding and to plan the logistics. Also Piolet d’Or awards winner, Kazuya Hiraide (39) and Kenro Nakajima (34) as a cameraman and climbing supporter. Miura’s son Gota Miura (49), free style ski Olympian and PhD in sports science. Dr. Kazue Oshiro, first certified Japanese International Mountaineering Doctor who has been Miura’s physician in charge for past 8 years. And Muneo Nukita (67) the professional expedition consultant with experience of hundreds of worldwide expeditions.
With this solid team, Miura will try his utmost effort, step by step aiming for the summit in spite of his age, and putting all the excuses behind to do the best in order to fulfill his life’s dream, hoping to inspire all generations.
プレスリリースはこちらをごらんください。アコンカグア企画書(プレス用).pdf
MIURAアコンカグア遠征 1月13日 新ルート&スケジュール
1/2日本を出発した三浦雄一郎のアコンカグア遠征隊は10日にベースキャンプ(4200㍍)に入り、三浦はベースにての高度順応、他のメンバーは上部キャンプへ偵察と高度順応と山頂アタック開始へ向け、準備を進めております。
先ほど(日本14日午前)、上部キャンプよりBCに戻りました豪太からの連絡です;
本日(現地1月13日)、高度順応でC2(5850㍍)まで向かっていたところ、先に上部偵察をしてC2より降りてきた倉岡チームと合流し、ポーランド氷河ルートの状態について報告を受けました。氷河のコンディションが非常に悪く、ブルーアイスと膝上までの積雪があり、登攀することは難しいとのことです。これを受けて、早急にプランの立て直しをするため、一旦全員でBCまで戻り検討しました。結果、ポーランド氷河登攀を止めて、迂回しノーマル・ルートへの計画に変更いたします。下記が新たな実行プランです;
新・登山&スキー計画 (日程/ ルート / 滞在標高)
- C は キャンプの略です。
17日 雄一郎以外のメンバー徒歩にてアメギーノ峠Cへ 5360m
18日 雄一郎ヘリで アメギーノ峠(合流)→ 5750C 5750m
19日 5750C → ピエドラ・ブランカC 6200m
20日 ピエドラ・ブランカC → ラ・クエバC 6700m
21日 ラ・クエバC →山頂(6961m)→ ラ・クエバC 6700m
22日 ラ・クエバC → ピエドラ・ブランカC 6200m
23日 ピエドラ・ブランカ(スキー滑走)→グアナコC 5500m
24日 グアナコC → アメギーノ(ヘリ)→ BC(ヘリ)
→ オルコネス(車)→ メンドーサ
◎新しいルート図を添付いたします。下記色別でルートを記入いたしました。
オレンジ色 (ヘリコプター)
青色 (登攀ルート)
緑色 (下山ルート)
黄色 (スキー滑降予定)
新ルート図は以下です。
MIURA Aconcagua 2019 ルート&登山ロジスティック 変更について
ポイントとなったのは、1)アコンカグアの登山許可規定期間( 20日間)、2)三浦雄一郎の年齢と体力、3)スキー滑降を前提としたより危険度の高いポーランド氷河のルートを登ること(当初ノーマルルート登攀から変更)、4)気象条件 … これらを考慮したうえでベストなロジスティックスが組まれました。それは予定したアコンカグア・ベースキャンプから6つのキャンプを経て山頂を目指すというプランから、三浦の体力を温存する為に標高 5300㍍のアメギノ峠までヘリコプターを使用するというものです。このメリットは標高 4200㍍からアメギノ峠までキャンプ 2か所、標高差およそ 1000㍍の 2日間の行程を省略することが可能で、三浦雄一郎の山頂へ向けての体力温存とスキー滑降の可能性をより高くするものです。 ポーランド氷河の難易度と限られた登山日程を考慮したとき、もっとも有意義な計画であると判断いたしました。またアコンカグア州立公園の登山規定(レギュレーション)にヘリコプター使用に関する明記はなくアメギノ峠までのヘリで入ることは登山過程としての問題はないとのことです。
この新ロジスティックスについて下記、 MIURA隊メンバーの意見です;
大城 チームドクター
健康な86歳であっても、この標高を通常行程により 20日間で登山することは、健康障害のリスクが明らかに存在する。現地での三浦さんの順応状態や、ルートと天候に応じて、いかに成功の可能性を広げ、リスクを軽減する戦略を構築することが、チームの課題である。丁寧な高度順応計画を行った上で、ヘリコプターと酸素による補助は、高齢化した肉体の生物学的限界を補え、登頂と健康な生還を成功させる選択で、高齢者が登山の成功を果たしたいと考えた場合、過去の成功体験に縛られることなく、新しい方法により、より安全な登山を可能にした。
倉岡 登攀リーダー
登山は自然相手の活動でありその過程は登山者に委ねられる。
ヘリコプターや酸素補助使用についてどこからどこまで行うということは登山者の自由である。
三浦雄一郎 隊長
私自身が86歳でアコンカグアを登るということはこれからの高齢者登山の指針となることを願う。
そのため、その登山の新たな方法の模索、提案、実行はこれからの高齢者登山の新たな選択技を増やすことになる。高齢者登山において困難な山でもいかに安全を確保できるか、これを今回の登山において示すことも大きな目的の一つである。
下記が新プラン(日程)です;
※ アメギノ峠までのヘリコプター使用は三浦雄一郎のみで、他メンバーはベースから登ります。
日程は現地アルゼンチンです。
三浦雄一郎スケジュール 三浦豪太スケジュール | ||||
日程 | 場所 | 標高 | 場所 | 標高 |
1月9日 | オルコネス → BC | 4200m | オルコネス → BC | 4200m |
1月10日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | ベースキャンプ滞在 | 4200m |
1月11日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | BC→C1 | 4900m |
1月12日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | C1→C2 | 5850m |
1月13日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | C2→ポーランド氷河→BC | 4200m |
1月14日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | ベースキャンプ滞在 | 4200m |
1月15日 | ベースキャンプ滞在 | 4200m | ベースキャンプ滞在 | 4200m |
1月16日 | ベースキャンプ→ヘリにてアメギノ | 5370m | ベースキャンプ→アメギノ | 5370m |
1月17日 | アメギノ峠 → C2 | 5850m | アメギノ峠 → C2 | 5850m |
1月18日 | C2→C3(ポーランド氷河) | 6300m | C2→C3(ポーランド氷河) | 6300m |
1月19日 | C3→C4(ポーランド氷河) | 6600m | C3→C4(ポーランド氷河) | 6600m |
1月20日 | C4→山頂→C4 | 6961m | C4→山頂→C4 | 6961m |
1月21日 | C4→C2 | 5850m | C4→C2 | 5850m |
1月22日 | C2→アメギノ峠→ヘリにてBC→ヘリにてオルコネス→メンドーサ | 4200m | C2→BC(徒歩)→ヘリにてオルコネス→メンドーサ | 4200m |
1月23〜26日 | 登山活動予備日 | 登山活動予備日 | ||
1月27日 |
※登山活動日程が2日間短縮されたことで長期予報の気象ファクターのリスクが軽減され、また予備日が追加されたことで登頂確率が増えたといえます。
※新ルート図につきましては添付をご参照ください。
三浦雄一郎&豪太 アコンカグア遠征 日本出発
皆さまあけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日(1月2日)、三浦雄一郎、豪太、貫田の3名は先発隊としてアコンカグアへ出発 いたしました。 残るメンバーは順次4日までに出発し、現地で合流いたします。 空港には多くのメディアと三浦が校長をしています、クラーク記念国際高等学校の生 徒たちが見送りにきてくれました。
今後、現地からの情報が 下記オフィシャルFBと朝日デジタル&朝日金子記者 ツィッターにも常時、更新されますので、フォローのほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。
●MIURA アコンカグア2019
https://www.facebook.com/miura2019/
●朝日デジタル新聞(三浦雄一郎をご検索ください)
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●金子記者 ツイッター
https://twitter.com/motokikaneko
ミウラ・ドルフィンズ 三浦恵美里